2006年11月21日

建物は地震で壊れてもいいのか?壊れてもいいものもある

■中途半端なタイトルですが、今考えている正直な感覚の言葉です。

大地震に見舞われて壊れても構わない方は少ないでしょうが、建物が壊れても助かればそれでよいとする方はたくさんみえるでしょう。

どうせ壊れるのが分かっていればいっそうのこと壊して、大地震に耐えるだけの建物を作り直しておきたい方もいらっしゃるはず。

またちょっとの修理でさらに寿命を伸ばすことが出来れば直しておきたい方もいらっしゃるはず。

いずれの場合ももちろん予算が許せばということでしょうが、それは個々の事情が異なることですから脇に置くとしても、人間ドックではないですが診断を実行しなければ判断できないのです。

一方でいろいろな意味で使う価値のないものまで、人間が中に居ないのであれば人間の安全を守るという必要性も生じないのに・・・という建物もあります。

(公費の無駄遣いをマスコミが毎日報じていますが、そんな場面にも出くわすこともあります。)

地震で建物が壊れて人命までも壊れては困るのですが、貴重な金銭やエネルギーを浪費してまで、また価値観までも壊してしまう行為はサスティナブルという格好の良い言葉に泥を塗ってしまう。

耐震工事のための耐震工事ではなく、まずは診断の必要があるのか、耐震工事による付加価値は何か出てくるのか、存在価値そのものもあるのか、明日の希望がもてるように建設的にやりたいものです。
posted by まちかどけんちくか at 22:55| 耐震診断と耐震補強

釘は現代の木造のキーワード

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■釘に関する議論だけで何冊も本が書けてしまうほど現代の木造にとって重要な存在です。

ところが残念なことに従来の修行を積んでこられた大工さんの多くは、釘を使う仕事は邪道のような考え方が今もあります。
現代の木造軸組工法の現実と地震頻発を考え直してください!!

構造用合板を耐力壁として使う場合の建築基準法上の仕様は、壁倍率2.5となり釘の種類はSN50@150、厚みは7.5MM以上となっていますが、SN50@100、厚みは12MMを使用しています。
釘の配置は日の字になるように打ちます。

釘のめり込みによる約20パーセントの耐力低下を防ぐためハンマーで打ち込んで欲しいのですが、どうしても機械打ちになってしまうために上記の仕様を厳しくチェックすることにしています。

さらに床剛性や補強金物との総合力を確認しなければならないのですが。
posted by まちかどけんちくか at 09:08| Construction_today 現場監理のツボ

2006年11月17日

分からない設計事務所に何を頼むのか?

■建築の設計事務所にいったい何を頼むところなのか?何者なのか?

世間の多くの方がよく分からないのではないでしょうか。
日本中にはたくさん存在していますが、一体何をしているのでしょうか?

病院には外科、内科、歯科、精神科、循環器科・・・・と専門が詳細に分けられていますが残念ながら建築の設計事務所には同様な看板が掛けられてありません、どこから入ってよいやら迷ってしまうような設計事務所さえあります。

確かに建築士の資格にも、構造専門、設計総合専門、設備専門、インテリア内装専門などの大まかな区分けをしようという傾向は、かの構造計算偽装事件をきっかけにできつつはあるようですが、やはりその知名度は病院の専門科ほど分かりやすいものでないのが現実です。

このカテゴリーでは、24年あまりの経験の中から実績をベースに興味深い建築の設計事務所の使い方を分かりやすく説明します。
posted by まちかどけんちくか at 16:09| Comment(0) | ActualResults 依頼できること