2007年04月28日
現場で発見した価値観
■現場監理で何度も現場へ通ううちに発見することがどの現場にもひとつやふたつ転がっています。
たわいも無いことですが見逃さず後の設計に生かしたい拾い物になることさえあります。
2階の北側にある寝室には幅広の窓がありますが、ここから眺める風景にあることを気づかされました。
岐阜県池田町のこの現場からは、北の方向に低く連なる山並みが見えています。
この山並みは揖斐川が山地から平野へ流れ出してきた扇状地の付け根に広がり、揖斐川町の古くからある歴史ある街をV字状に囲みこんでおり、盆地のような風土気候を形成しています。
横長な窓は外観のデザイン上水平の横の線を強調して安心感を作るためであったのですが、期せずして横に連なる揖斐の山並みを望むためであったかのような結果となりました。
惜しむらくは引き違いの召し合わせの縦線はご愛嬌でしたが。
急遽、ロールブラインドは広幅寸法のもので一枚で仕上がるタイプのものに変更して、一度に全面から光が射し込むようにしました。
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2007年04月27日
建物の隙間(C値)は少なくしましょう
■建物の隙間相当面積(C値)に関して一時期流行のように新聞紙上を賑わしく飾っていましたがここのところ見なくなったような気がしますがどうしたんでしょうね?
特に住宅などは延べ床面積の単位面積あたりの隙間相当面積が一定数値以下に保っておくこと、岐阜県の揖斐郡(揖斐川町、池田町など)においては快適性(夏涼しくて冬暖かい)に繋がる鍵になっていることを設計例として確認しています。
この写真は本日(4月27日)行った気密測定の様子です。
メーカーがこぞって新聞紙上半面を使ってコマーシャルしてもらわなくても、私の現場では気密断熱システムを使った場合には気密試験を実行して効果を予想することにしています。
岐阜県揖斐郡ではネット上で閲覧できる気象データ(アメダス)によると、一年を通じて平均的に安定した風速2m程度の風が流れているのが確認できます。
隙間相当面積を競うように1以下の数値にまでしなくとも、その近所の数値が確保できてさえいれば、室内の心地よい通風を実現できます。
設計者がデザインの感性を磨くことは心の快適性を実現できます、気密性のようなデータに拘る設計は体に直接感じる快適性を実現することになります。
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2007年04月20日
木造の車庫を誤解しないで
■自動車は危険物だから鉄骨造しなければならない、住宅に付随する車庫は鉄骨にしたほうが安価だ、木製の外壁は耐久力が無くて高価だ、普通は木造にしない、などと誤解に満ちた印象をお持ちの方は考え直してください。
全てその逆です。
ご覧のような木造の車庫は、周囲に溶け込むような落ち着きを醸し出してくれるのが一番のお奨めしたい点ですが、国産材の流通に積極的な岐阜県では低予算で出来てしまいます。
そして塗装の木材保護材のバリエーションも増えて性能が良くて安価なものが出来てきました。
街並みが軒の浅い無機質なメーカーの住宅展示場になってしまいつつある揖斐川町には、こんな通りが増えていくことを願いつつ木造の車庫を作らせていただきました。
posted by まちかどけんちくか at 18:14| Comment(0)
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