建築の設計には基本設計と実施設計があるのはご存知でない方のほうが多いのは当然ですよね。
概ねの背骨となる基本的考え方を表現する、それを具現化する、どんな物事もその順序を辿るのが常識です。
ところがどれだけ緻密な実施設計図を作成しても実際に満足できる建物が完成しなければ絵に描いた餅です。
そんなこと言われなくても当たり前です。
そこが監理という分野なのですが、これが想像以上に難しいのは同じ世界に身をおく諸兄はご存知のはず。
大雑把によく言うのは、設計なんて年数さえ重ねれば見よう見まねで誰でも出来るよ、しかし監理はその何倍も勉強してない者には至難の業なんて。
設計時点での検討事項も山ほどあるけどしらみつぶしの粘り腰で乗り越える、しかし現場でのそれは設計時点では想像出来なかった事柄がそれに加わるといった感じです。
特に建築主の考え方と現場サイドの考え方のズレを埋めるのは中でもたいへんです。
一つ一つの現場でのエピソードを糸口に監理の面白さや経験から得たエッセンスが浮かんできます。
その時点でのストレスは身に重いのですが、完成して数年もすれば建築主さんと思い出し笑いを交わすことになってしまいますが。
2010年10月23日
設計は監理があってこそ生きる
posted by まちかどけんちくか at 18:25| Construction_today 現場監理のツボ