設計って何? 監理って何? いったい何をするの? 設計監理の契約をしてどこまで面倒見てもらえるの?
この疑問は建築家の側から見れば「見えない」疑問点ですが、建築主となられる側からは一番最初に教えてほしいではないでしょうか。
「設計監理費」に含まれる業務の範囲を以下にまとめてみました。
1.基本設計
建築主から希望要望をお聞きして、設計要旨(設計の基本的考え方)、平面プラン(間取り)、立面図(建物の外観)、パース(3次元透視図)、基本予算書をまとめる作業です。
そのためには現地調査、役所との法的打ち合わせ、材料工法の研究など周辺情報の収集も行います。
2.実施設計
基本設計を元に、実際に建物を具現化するための図面を作成する作業です。
具体的には、求積図、法令関係図、平面図、配置図、立面図、仕上表、矩計図、各詳細図、展開図、建具表、電気設備図、給排水衛生設備図、構造図、構造計算書など、設計図50枚から規模によっては100枚を仕上げます。
3.建築確認申請手続き、都市計画法許可、等建築関連法令許可
建築関連法令に適合していることを役所にて許可を受ける作業です。
必要があれば現場での中間検査や完了検査の立会いを行います。
4.工事業者の見積り徴収と内容検討、工事請負契約
設計図書を作成した中間的立場から、建築主を代理して(建築主との委任契約者として)3社以上5社まで位の相見積りを取り、種々の条件から適正な業者を建築主の意見を踏まえて選定します。
建築主と工事請負業者との契約の調印式にも立会いを行います。
5.工事現場監理
地鎮祭から始まり、基礎工事、建て方、設備工事、大工工事、内装工事、外構工事や庭園工事まで一連の工事が完了するまで、実施設計図と現場との調整作業、色決めなどの建築主との打ち合わせ、役所検査機関の現場検査の立会いなど、建築主と共に現場の進行中を見守るあるいは軌道修正の作業です。
6.メンテナンス保証確認
工事完了後の1年間から数年、(構造部分、漏水部分は10年)、建築主が使い始めてからの機械調整、建具調整、保証期間中に起きる不具合の相談、工事の実施立会いなど、内容原因によって適正に実施されることの確認作業です。
以上が業務を概略紹介しましたが、人と人の関わりを大切にする作業ばかりですので他にも目には見えないもろもろの作業もあります。
さらに詳細に他のページでも分かりやすく紹介しておりますのでご確認ください。
2011年02月13日
2011年02月12日
川上さぷりのいえ
設計力を試してみる場として「設計コンペ」があります。
力試しをするコンテストといったところでしょうか。
種類はいろいろあります。
具体的な敷地や満足しなければならない条件を与えられて腕を競う実施コンペ、架空の条件から純粋なアイデアのみを競うアイデアコンペ、建築物のみでなく都市計画まで入るものや世界中から案を募る国際コンペまであります。
報酬は期待できませんし、実務の合間では中途半端な作品になってしまいます。
応募者には同じ設計家でもこだわりと自己主張を大切にする人、常に自分の考え方を見つめている方が多いよです。
私もそうありたいと普段から勉強を重ねているつもりですが、毎日が設計にドップリ漬かっているつもりでも、現実の実務から離れた位置でアイデアをひねり出すのは並大抵のエネルギーではありません。
学生の頃入選したとき、ゼミの先生に「パースをカラーにすれば特選だったぞ」と、惜しい結果であった審査の裏話をしてくれたことを今もたまに思い出します。
どうもこの一言が私のコンペ挑戦への「ルーツ?」のようで、挑戦してみようと思うエネルギーの源のようです。
あれも基礎教育の一端だったのでしょう。
今はもう夢のような国際コンペではなく現実の設計受注へのチャンス獲得のためと正直に言ってしまいますが、もし、そんな夢を追いかける時間をいただけるような年代がきたら、また学生の頃のように挑戦したいものです。
以下には過去に「川上さぷり住宅デザインコンペ」にて優秀賞を頂いた画像を作品の紹介として掲載してみました。
力試しをするコンテストといったところでしょうか。
種類はいろいろあります。
具体的な敷地や満足しなければならない条件を与えられて腕を競う実施コンペ、架空の条件から純粋なアイデアのみを競うアイデアコンペ、建築物のみでなく都市計画まで入るものや世界中から案を募る国際コンペまであります。
報酬は期待できませんし、実務の合間では中途半端な作品になってしまいます。
応募者には同じ設計家でもこだわりと自己主張を大切にする人、常に自分の考え方を見つめている方が多いよです。
私もそうありたいと普段から勉強を重ねているつもりですが、毎日が設計にドップリ漬かっているつもりでも、現実の実務から離れた位置でアイデアをひねり出すのは並大抵のエネルギーではありません。
学生の頃入選したとき、ゼミの先生に「パースをカラーにすれば特選だったぞ」と、惜しい結果であった審査の裏話をしてくれたことを今もたまに思い出します。
どうもこの一言が私のコンペ挑戦への「ルーツ?」のようで、挑戦してみようと思うエネルギーの源のようです。
あれも基礎教育の一端だったのでしょう。
今はもう夢のような国際コンペではなく現実の設計受注へのチャンス獲得のためと正直に言ってしまいますが、もし、そんな夢を追いかける時間をいただけるような年代がきたら、また学生の頃のように挑戦したいものです。
以下には過去に「川上さぷり住宅デザインコンペ」にて優秀賞を頂いた画像を作品の紹介として掲載してみました。
建物を計画するときのポイント
建物を計画するとき(特に住宅)、どのようなことを考えておくと良いかを箇条書きしてみました。
1.いくつもの法的規制をクリヤーしなければならない
建物は自己の所有地だからといってどのようなものを建ててもよいというわけではありません。
地域的な指定からの制限(集団規定)を受けたり、建物そのものに対しての制限(単体規定)を受けたりします。
2.どのような物理的性能を希望するかをまとめておきましょう。
全ての条件を満たし100パーセント満足できる性能を得ることはできません。
耐震性(地震に対する強さ)を充分なものにしようとするとプランによっては窓が思うところに取れずに明るくない部屋ができたりします。
デザインや地震対策はもちろん、他に健康への配慮、最近重要度が増してきた電気給排水設備への配慮などについては特に注目を集めるようになってきました。
性能を数値で理解することも可能です、優先順位をつけて下さい。
3.周囲環境・敷地形状による影響を考慮する。
光の入る方向、風の流れ、隣家との位置関係などを考えましょう。
建築家の造る自由度の高い建物にはこのようなことはないのですが、住宅メーカー(プレハブ)などによっては骨組みを作る制限があり、敷地を充分生かすことができないこともあります。
4.家相の考え方を取り入れるか、取り入れるならばどの程度か。
その全てを否定はしません、その隠れた合理性は取り入れましょう。
ただはっきりしているのは敷地に充分な広さのない都市型の住宅などは家相を取り入れることにより、多くの制限を受けます。
5.家族について考える(特に住宅の場合)
家族の構成により部屋の位置関係が変わります、またいろいろなパターンが可能です。
一般的な2世代同居、3世代同居の場合、その住まう距離観とも言うべきものを話し合いの中から合意点を見つけておき、どうしたらお互いが心地よく快適にまた円満に暮らせるかを話し合い、考えてみる。
6.10年後の暮らしを考えてみる(特に住宅の場合)
最低10年後の生活や環境、家族の構成を想定してみてください。
建物の性能に耐久性を何十年も期待をするとき、また変化を想定して改造を前提とするときも、平面計画的設備的にも工夫できます。
7.予算を考える
予算を考えない方はいないと思いますが、構造の工法、床面積、仕上材、プランの形状、特注の部材などで大きく変わるときがあることを覚えておきましょう。
また建築費用の他の諸費用について調べておく必要があります。
税制が時代の変化に応じて激しく変わっています、思わぬ節税効果を生むこともありえますので、チェックを忘れないで下さい。
8.楽しい家ずくり・生活ずくりにしましょう(特に住宅の場合)
「家は生活の容器」です、家はこういったものだと決めつけないようにしましょう。
人によって顔や性格が違うように生活もその容器である住宅も当然十人十色、我が家流の演出も楽しむことを忘れないようにしましょう。
建築家に依頼するのなら、その自由度を満喫しましょう。
1.いくつもの法的規制をクリヤーしなければならない
建物は自己の所有地だからといってどのようなものを建ててもよいというわけではありません。
地域的な指定からの制限(集団規定)を受けたり、建物そのものに対しての制限(単体規定)を受けたりします。
2.どのような物理的性能を希望するかをまとめておきましょう。
全ての条件を満たし100パーセント満足できる性能を得ることはできません。
耐震性(地震に対する強さ)を充分なものにしようとするとプランによっては窓が思うところに取れずに明るくない部屋ができたりします。
デザインや地震対策はもちろん、他に健康への配慮、最近重要度が増してきた電気給排水設備への配慮などについては特に注目を集めるようになってきました。
性能を数値で理解することも可能です、優先順位をつけて下さい。
3.周囲環境・敷地形状による影響を考慮する。
光の入る方向、風の流れ、隣家との位置関係などを考えましょう。
建築家の造る自由度の高い建物にはこのようなことはないのですが、住宅メーカー(プレハブ)などによっては骨組みを作る制限があり、敷地を充分生かすことができないこともあります。
4.家相の考え方を取り入れるか、取り入れるならばどの程度か。
その全てを否定はしません、その隠れた合理性は取り入れましょう。
ただはっきりしているのは敷地に充分な広さのない都市型の住宅などは家相を取り入れることにより、多くの制限を受けます。
5.家族について考える(特に住宅の場合)
家族の構成により部屋の位置関係が変わります、またいろいろなパターンが可能です。
一般的な2世代同居、3世代同居の場合、その住まう距離観とも言うべきものを話し合いの中から合意点を見つけておき、どうしたらお互いが心地よく快適にまた円満に暮らせるかを話し合い、考えてみる。
6.10年後の暮らしを考えてみる(特に住宅の場合)
最低10年後の生活や環境、家族の構成を想定してみてください。
建物の性能に耐久性を何十年も期待をするとき、また変化を想定して改造を前提とするときも、平面計画的設備的にも工夫できます。
7.予算を考える
予算を考えない方はいないと思いますが、構造の工法、床面積、仕上材、プランの形状、特注の部材などで大きく変わるときがあることを覚えておきましょう。
また建築費用の他の諸費用について調べておく必要があります。
税制が時代の変化に応じて激しく変わっています、思わぬ節税効果を生むこともありえますので、チェックを忘れないで下さい。
8.楽しい家ずくり・生活ずくりにしましょう(特に住宅の場合)
「家は生活の容器」です、家はこういったものだと決めつけないようにしましょう。
人によって顔や性格が違うように生活もその容器である住宅も当然十人十色、我が家流の演出も楽しむことを忘れないようにしましょう。
建築家に依頼するのなら、その自由度を満喫しましょう。