2011年02月11日

冷蔵庫を買い換えましょう・その2

前回の続きのお話、駄目押しです。

決してヤマダデンキから頼まれたわけでもないんです、考え直しましょう、この贅沢な家電生活を!

家庭における消費エネルギーの割合は、給湯(ガス)28パーセント、エアコン18パーセント、家電16パーセント、照明8パーセント、冷蔵庫8パーセント、換気扇8パーセント、水7パーセント、調理3パーセント、温水暖房便座3パーセント、給湯(電力)1パーセントの順です。

まず、湯を沸かすことと冷暖房の次が家電です、そして冷蔵庫、換気扇は別枠で注目を集めています。
湯を沸かすことや冷暖房は、ヒートポンプという空気中の熱量で電気エネルギーを補ってしまうという(約3倍)魔法の箱の出現で、テレビなどでよく耳にするエコキュートの登場で状況が大きく変わりつつあります。
また、小池百合子さんから始まったクールビズやウオームビズも、その流れの中にあります。

家電関係は、先に挙げた冷蔵庫が電力消費の割合がで34パーセントで横綱級ですが、大関が29型テレビ30パーセント、小結が温水暖房便座11パーセント、以下温水暖房便座、今はなくなりつつあるMDコンポ6パーセントですよ。

冷蔵庫は、1994年以前の製品ならば、買い換えると一時間に約600KW時の節約ができます。
これが前回ご紹介した一ヶ月に6000円電気代が減ったという話しの根拠です。
ちなみに現在売り出されているテレビならば年間で6000円の電気代で済みますよ。

ブラウン管テレビの2000年以前のものは650KW時で現行機種の液晶テレビにすれば250KW時の節約です。

MDコンポなどの弱電機器がなぜ?と思われるでしょうが、彼らは待機電力を消費します。1990年代の製品の中には年間800KW時以上の待機電力を使う製品もあるようです。

地球温暖化なんかより、家庭の電気代を減らしたいと思いませんか?


posted by まちかどけんちくか at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | Useful_Information お役立ち情報

冷蔵庫を買い換えましょう・その1

エコポイント制度が始まって今、私が叫ぶ話でもないかもしれませんがおさらいの意味を込めて書き込みました。

1980年代の冷蔵庫のお話しです。
ちょっとはテレビなどで誰もが小耳の挟んだことがあるとは思いますが、意外と掛かる冷蔵庫の電気代です。
現行で販売されている冷蔵庫は1980年代のに比べると、電気代は10分の1になっているそうです。

これは、独立行政法人建築研究所の研究員の方が省エネ調査をされた結果の大まじめな話しです。

月に6000円も掛かっていた家庭が存在していたそうです。
お節介にその研究員の方がその調査協力をしていただいたお宅の奥様にお知らせしたら冷蔵庫を買い換えられたそうです。
そしたら月の電気代が、まさに月6000円も減少し、2年もすれば元が引けると言われたそうです。

研究員さんはその奥様にすごく感謝されて、めでたしめでたし!

日本昔話のような分かりやすい善意溢れる良いお話しでしょ。

ところがこれには続きがあります。

その研究員さんがご自分のご実家に帰られて冷蔵庫を調べてみたら、なんと1980年代製だったそうです。
さっそくお母様に買い換えるようにアドバイスしたら、「なにを贅沢言っているの」とお説教をいただいて聞き届けてもらえなかったそうです。

せっかくの研究結果は小生たち専門家には興味ある事実でも母にはかなわないかったのです。

おまけにお教えします。
DVDプレーヤーとトイレのウオシュレットが冷蔵庫に続く電気大食い家電だそうです。
必ず消費電力を確認して買いましょう、生活の知恵です。


posted by まちかどけんちくか at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | Useful_Information お役立ち情報

2011年02月10日

バリアフリーな明秀寺

以下の文章は、以前大垣市内で設計させていただいた明秀寺という浄土真宗のお寺の本堂にまつわる思いを綴ったものです。(建物についてもこのブログでも紹介されています)

岐阜県で発行されている健康福祉のメルマガにても発信していただきました。
読んでみてください。

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浄土真宗の門徒の方で、ご自宅にお仏壇があるご家庭は、おそらく岐阜県内に限らず全国的にみても、少なくはないはずです。

これからお話しようとしている内容は、たまたま設計者としてお手伝いするご縁をいただいたのが浄土真宗大谷派のご本堂に関することではありましたが、信仰の自由の国、日本においては、浄土真宗に限らず人を救う宗教であれば、共通したことがらであることを最初にお断りしておかなければなりません。

何故か、お伝えしたいこととは反対に堅い内容から始まってしまいますが、浄土真宗の教えは学生時代の教科書にもあるように、親鸞聖人によって大成され、蓮如上人によって日本全国にひろまったことなどを鵜呑みで覚えている程度のお恥ずかしい門徒の私です。

子供の頃から当然のごとく仏壇の前に座らされて、足のシビレをこらえながら知らず知らずのうちに頭に焼き付いている「正信偈」の「帰命無量寿如来、南無不可思議光・・・・」。

中身を丁寧に勉強すれば、きっとすばらしい新たな発見もあることであろうが、ともかくも仏前でおとなしく大人と一緒にお経を合唱し手を合わせてみると、読経の音声の響きと共に、なにかしら神妙な気分になり、亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんを思い出して、供養をしていることを子供なりに実感していました。

かく言う私は今年で満50歳、子供の頃のそんな記憶はどこかへ仕舞い込み、自分の道を闇雲に手探りしていた20代、道筋が見えてきてまっしぐらに走り続けた30代、落ち着いて進んでみようと40代、まだまだこれからだと自分に言いきかせ、新たな道を探ってみる50代、本堂を設計させていただくチャンスに恵まれたこともあり、今だからこそと振り返ってみて仏前に座ると、信心も恥ずかしいほど忘れているのに、不思議なことになぜかしら子供の頃のように神妙な気持ちの自分がそこに居た。

これが「門前の小僧、経を詠む」だろうか?、浄土真宗の真の教えを充分理解していないにもかかわらず、気持ちが安らぐのである。否、これがあるべき姿ではなかろうか。・・・それなりに悟っているのである。

そんな私が提案したい本堂は以下のようなものであった。

お寺は宗教施設の神々しさはもとより必要であるが、それだけではこの時代にはマッチしないのではないか、現に仏教寺院の建築様式は時代ごとに大きく変化を遂げてきているのは事実です。
健康かそうでないかに関わらず、人生の諸先輩方はもちろん老若男女全てを受け入れる、身近な存在感のある本堂のデザイン、雰囲気、バリヤフリーな機能性、寒さ暑さなど体にストレスを感じない室内環境をそなえていることである。

まさに住まいを考えるときに求められる寛げる「温かさ」にも通ずるありかた姿を実現したいと考えたのです。

正面向拝に通ずる階段は、踏み巾30センチ、一段の高さ16.5センチ、これは健常な80代の男性の意見から決めた寸法を採用しました。

その脇をはしる勾配1.9パーセントの緩やかなスロープ、これはお参りする真正面から上がれる位置関係としている。

回廊周囲の窓はトーメーの掃きだしとなっており、室内のお参りの様子が戸が締め切られていても内部の様子がうかがい知れるようにしています。

扉は適度な重さの引戸ばかりで、縦長で大きなバー引き手が取付けられています。これも普段お参りされる諸先輩の立場になって考えてみました。

内陣(阿弥陀如来のある正面の部分)と外陣(門徒がお参りする部分)とは従来は段差がありましたが、完全にワンフロアーの同一高さです。

履物を脱ぐ土間にはフリーに握れる手すりがあり、時には軽量なハンディータイプのスロープが据え置き可能な上り框になっています。

お椀を伏せたような優しい銅板の屋根形状、外陣内陣の川の流れをモチーフにした曲線状の明るい天井照明、視認性も高く雰囲気も明るい白を基調とした内装です。

床、天井、窓が断熱性能の高い材料で包み込んで室内温度差を押さえる工夫。・・・・などなど
極めつけは、私も子供の頃苦労した正座ではなく、低いイス席でのお参りをすることです。!!!

おせっかいにならない程度でさりげない、私なりの「生きたバリヤフリー」のお寺を、ご住職夫妻の普段の思いを溶け込ませた理想に近い施設を実現したいと考えています。

posted by まちかどけんちくか at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | Work_Introduction 作品紹介