2011年09月19日

裏舞台

「裏舞台」とタイトルしましたが、生活空間の中では結構お世話になる部分ですから本当は「表舞台」かもしれません。

普段の生活では最も通路として行き来が頻繁となるいわゆるダイニングから「勝手口」に繋がる廊下です。

トイレはその廊下の突き当たり、その反対側の画像右手が玄関への引き戸があり、玄関正面の真裏を居間やこの勝手口が囲んでいる感じです。

普段の「戦場」、生活空間を玄関からは見えなくしたいところですが、南北の通風の確保は怠り無く、壁の上下の格子窓は飾りというより通風窓の役目が主となります。

裏舞台のはずのトイレも生活の舞台として木の香りが恋しくて出てきたくなくなるような空間にしたかったのです。


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2011年09月17日

寝室の位置

住宅を新築する際にはバリアフリーやユニバーサルデザインの考え方をベースに作ることはすでに常識化しています。

段差の解消、廊下や階段の巾の拡幅、廊下階段の手すり設置、出入り口の拡幅や引き戸化、部分の改善だけにとどまらず、視力低下を補う明るい内装や足元照明や火災警報器の設置など、設備の工夫や室内温度差の解消のための断熱化など建物の壁や屋根、開口部のの構造も大きく影響を受けてきました。

YS_houseではさらに平面計画の基本もバリアフリーの考え方を反映させました。
とはいうものの目新しいことではなく誰もが自然発生的に思いつくことで、生活の中心を囲むようにダイニングや洗面、トイレ、個室、浴室、全てをストレス無くアクセスできる平面計画やディテールを工夫したということです。

寝室は南の庭を望める位置ですが、ウォーキングクローゼットや居間は直接アクセス、トイレや洗面ユニットバス、キッチン、ダイニングは居間を通じてアクセスできるようになっています。

住み始めればごく当たり前に習慣化するであろう便利さですが、あえて設計時点から取り入れなければ実現しないのも平面計画のバリアフリーです。

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2011年09月16日

階段がプランを決める

昔の階段というのは2階へ行くための通路という意味しか持たなかったようです、多くは2階床のどこかで1階に邪魔にならない程度の位置を狙って、隠れた場所にあったようです。

階段が移動式の収納家具になっており、2階床の任意の開口部を利用し、そこへ移動して上れるようにしている伝統工法の家も見たことがあります。

昔の階上は居室というより物置や作業所といった使い方が多かったせいではないでしょうか。

それはそれで現代にも使用の工夫が出来るのかもしれませんが、2階も1階と同じひとつのまとまった生活空間とする現代の慣習を持つ私たちにとっては狭くて暗い不便な通路に見えてしまっています。

そんな存在であった階段を玄関の脇の表舞台、南の日当たりのいい場所に移動した・・・・というのが今回のプランを大きく決定する要素だったようです。

狭かった玄関と階段ホールをドッキングして家のそれぞれの目的地に繋がるハブとなる場所に位置させたということです。

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