東日本大震災で亡くなった方が15000人超となったことを新聞紙上で見ました。
死亡された人数で比較することは不謹慎かもしれません。
ご批判を覚悟で比較しますが、調べてみたら(財)東京救急協会の調査によれば、1年にお風呂で心不全などの病死を含めて亡くなる方の人数が奇しくも14000人にものぼるそうです。
1000年に一度とも言われているマグニチュード9.0の地震による建物被害と津波やそれに関わる被害で15000人と、1年に14000人が亡くなっている建物の室内環境が原因という死者の数、数だけで比較すれば明らかに後者が多いように思うのは錯覚でしょうか?
震災復興に向かって政府も苦しい財政ながら赤字国債をさらに発行するということは、人的被害に沈んではいられない、インフラを再整備して新しい東日本を作り直さなければならない。
というだけではなく、政治家さんたちは公共工事を通じてお金をばら撒けばデフレと円高に苦しむ日本丸の沈没を救う景気対策のきっかけにでもなると考えているのではないでしょうか。
それもひとつの考え方かもしれませんが、それだけで時間が過ぎれば残ったのは膨らんで破裂しそうな赤字国債と増税の嵐、そしてお荷物になりそうな公共施設ばかりというのではなく、その流れの中に個人の生活の城である住まいの将来を見据えた施策を乗せていって欲しいものです。
省エネの次世代基準はここ数年の内には法制化され住宅性能の義務化に向かっているとも噂を聞いています。
10年以上も置いてけぼりだった基準を再生エネルギー買取法案のように、是非法制化して、25パーセント削減に向かってスタートさせてもらいたいものです。
25年以上、住まいの省エネから始まりもはや「創エネ」ともいえる時代の変遷、日本の住まい作りの基準の変遷を眺めていると、次世代基準の法制化に向かう下地は出来てきているように思うのですが。
住宅の室内環境の悪さを改善すれば、1年に14000人の犠牲者が減るばかりでなく、社会福祉の予算も少しづつ減るのではないでしょうか?
高断熱高気密、省エネ、シックハウス、性能表示、自立環境型住宅、CASBEE、太陽光発電、長期優良住宅、いろいろあってもやっぱり終着駅は「健康な生活が住宅」ではないかと老婆心ながら思うのです。
2011年09月05日
健康な生活がおくれる住宅
posted by まちかどけんちくか at 07:21| Comment(0)
| すぎはら設計の住まい
2011年02月12日
パッシブなソーラーでいこう
パッシブソーラーという言葉を聞かれたことがありますか?
屋根に発電パネルを並べて発電して、照明器具や給湯、冷暖房の電源として使用すると共に、それらが必要とされない昼間あるいは季節には、電力会社に売電することによりエネルギーの有効利用を図るシステム、最近マスコミにも取り上げられることが多くなり良く知られるようになった「太陽光発電」です。
人工衛星の姿をTVなどで見られることもあるかと思いますが、あの羽根の様に伸びたパネルがそれです。
自治体からの補助金も得られ、ますます普及していく気配です。
また、同様に屋根に液体の触媒液を満たしたパネルを並べて、熱エネルギーを集め、熱エネルギーを運ぶ触媒をポリブデン管という半永久的に腐食することの無い配管で建物内を巡らせ、配管が床下土間内にあれば床暖房として、ボイラーへ入れば給湯して台所や浴室にお湯としてその熱エネルギーを利用する。
最近は上記の2例の他にも方式はたくさんありますが、これらは「アクティブソーラー」といって、機械の力を借りた、正に力づくの方法です。
したがって、機械に頼ることによるデメリットは避けられません。
これらに対して、「パッシブ」の考え方を紹介します。
たとえば、冬の昼間の低い角度で居間に差し込む太陽エネルギーを部屋内部の建材に畜熱して夜間の暖房に利用する。
これは、縁側で膝にネコを抱いてうたた寝をするおばあちゃんの絵を思い浮かべていただくと理解できるような温まり方です。
一時期サンルームというのが流行しましたが、日本の伝統的「広縁」と共通した利点がありますが、断熱された縁側室内に畜熱性のある材料を使用することにより、日差しから取り込まれた熱は一定時間そこに留まろうとします。
サンルームという言葉の響きから想像される明るいイメージではありませんが、まさにネコが好みそうな、ゆったりとした暖かさです。
畜熱材としてはやはり伝統的な木材や土など自然素材が良いデータを出します。
力もなく、頼りなく期待できるほどでもないが、気持ちよい暖かさを体感できる。
冬の寒い日の縁側にたまった陽だまりが気持ちよかった記憶のある方は少なくないのではないでしょうか。
アクチィブソーラーのような明確な効果は感じられませんが、ジワリとした感覚、これこそが「パッシブソーラー」の真髄です。
夏の昼間の日差しは庇で遮ってしまうのが最善のようですが、夜間の地上付近を北窓から、そよ吹くすずしい風は床下から取り込んでやり、気密力と断熱力で補い利用できます。
「Sさんの家」(作品集に紹介してあります)にはそんなパッシブ生活が楽しめるようにあちこちに仕掛けがしてあります。
屋根に発電パネルを並べて発電して、照明器具や給湯、冷暖房の電源として使用すると共に、それらが必要とされない昼間あるいは季節には、電力会社に売電することによりエネルギーの有効利用を図るシステム、最近マスコミにも取り上げられることが多くなり良く知られるようになった「太陽光発電」です。
人工衛星の姿をTVなどで見られることもあるかと思いますが、あの羽根の様に伸びたパネルがそれです。
自治体からの補助金も得られ、ますます普及していく気配です。
また、同様に屋根に液体の触媒液を満たしたパネルを並べて、熱エネルギーを集め、熱エネルギーを運ぶ触媒をポリブデン管という半永久的に腐食することの無い配管で建物内を巡らせ、配管が床下土間内にあれば床暖房として、ボイラーへ入れば給湯して台所や浴室にお湯としてその熱エネルギーを利用する。
最近は上記の2例の他にも方式はたくさんありますが、これらは「アクティブソーラー」といって、機械の力を借りた、正に力づくの方法です。
したがって、機械に頼ることによるデメリットは避けられません。
これらに対して、「パッシブ」の考え方を紹介します。
たとえば、冬の昼間の低い角度で居間に差し込む太陽エネルギーを部屋内部の建材に畜熱して夜間の暖房に利用する。
これは、縁側で膝にネコを抱いてうたた寝をするおばあちゃんの絵を思い浮かべていただくと理解できるような温まり方です。
一時期サンルームというのが流行しましたが、日本の伝統的「広縁」と共通した利点がありますが、断熱された縁側室内に畜熱性のある材料を使用することにより、日差しから取り込まれた熱は一定時間そこに留まろうとします。
サンルームという言葉の響きから想像される明るいイメージではありませんが、まさにネコが好みそうな、ゆったりとした暖かさです。
畜熱材としてはやはり伝統的な木材や土など自然素材が良いデータを出します。
力もなく、頼りなく期待できるほどでもないが、気持ちよい暖かさを体感できる。
冬の寒い日の縁側にたまった陽だまりが気持ちよかった記憶のある方は少なくないのではないでしょうか。
アクチィブソーラーのような明確な効果は感じられませんが、ジワリとした感覚、これこそが「パッシブソーラー」の真髄です。
夏の昼間の日差しは庇で遮ってしまうのが最善のようですが、夜間の地上付近を北窓から、そよ吹くすずしい風は床下から取り込んでやり、気密力と断熱力で補い利用できます。
「Sさんの家」(作品集に紹介してあります)にはそんなパッシブ生活が楽しめるようにあちこちに仕掛けがしてあります。
2011年02月11日
私の基本姿勢
建築家(建築の専業設計事務所)というと設計図ばかりを描いているとか、役所の仕事しかしていないとか、何か敷居の高い存在に思われている方や、建設会社やハウスメーカーとの違いが理解できない方、
自分には縁のないマイナーな存在と考えている方はまだたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
世の中の仕組みが複雑になりすぎて情報過多の状態になってしまっているのと、大規模な公共物の設計が中心の「建築家」といえる知名度の高い方々のつくってくれた設計事務所に対する印象も加わって、
私たちのような最も「敷居の低い」タイプの建築家の存在は、その影に隠れて姿がはっきり見えず、不安感があり、関りのもちにくい存在になってしまっているようにも感じます。
存在感をアピールするだけでなく、理解していただくのもこのホームページの目的のひとつです。
このホームページでは詳細に説明を加えていますが、「敷居の低い」設計家も設計図を描くばかりではなく、「トータルデザイナー」とでもいうようなプロデュース業務が「設計監理」という言葉と置き換わっています。
基本姿勢としては、以下のように決めています。
■建築主さんの立場に立って設計・現場監理をする。
■設計以前の話から相談を受ける。(敷地選択、予算管理など)
■要望を具体化するのではなく提案からスタートする。
■新築だけでなく、増改築・リフォームも含めてバランスの取れた設計とする。
■ものずくりをする専門家であることを忘れず、こだわり続ける。
自分には縁のないマイナーな存在と考えている方はまだたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
世の中の仕組みが複雑になりすぎて情報過多の状態になってしまっているのと、大規模な公共物の設計が中心の「建築家」といえる知名度の高い方々のつくってくれた設計事務所に対する印象も加わって、
私たちのような最も「敷居の低い」タイプの建築家の存在は、その影に隠れて姿がはっきり見えず、不安感があり、関りのもちにくい存在になってしまっているようにも感じます。
存在感をアピールするだけでなく、理解していただくのもこのホームページの目的のひとつです。
このホームページでは詳細に説明を加えていますが、「敷居の低い」設計家も設計図を描くばかりではなく、「トータルデザイナー」とでもいうようなプロデュース業務が「設計監理」という言葉と置き換わっています。
基本姿勢としては、以下のように決めています。
■建築主さんの立場に立って設計・現場監理をする。
■設計以前の話から相談を受ける。(敷地選択、予算管理など)
■要望を具体化するのではなく提案からスタートする。
■新築だけでなく、増改築・リフォームも含めてバランスの取れた設計とする。
■ものずくりをする専門家であることを忘れず、こだわり続ける。