2011年10月03日

中廊下の役目

「田の字プラン」の「ハレ」と「ケ」を区分している形の位置にあるのがこのような中廊下です。

向かって左側が南側の座敷2室、こちらが「ハレ」の空間で冠婚葬祭や来客のための空間、もちろん現代人には寛ぎの空間かもしれません。

向かって右側は北側の「ケ」の空間、寝室や書斎、プライベートスペースです。
中廊下は対照的なこの両者を綺麗に2つに区切っています、そして最も通路としての機能を発揮する部分、しかし最も暗くて歩きつらかった部分でもありました。

設計段階ではトップライトを西詰めの部分に作る予定もありましたが窓に変更になりましたが、何とか照明の明るさと格子戸で補うことになりました。

格子の上に走るケヤキの差し鴨居の美しさにも注目してください。
これも設計当初の方針通り生かして残すことになりました。

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2011年09月19日

裏舞台

「裏舞台」とタイトルしましたが、生活空間の中では結構お世話になる部分ですから本当は「表舞台」かもしれません。

普段の生活では最も通路として行き来が頻繁となるいわゆるダイニングから「勝手口」に繋がる廊下です。

トイレはその廊下の突き当たり、その反対側の画像右手が玄関への引き戸があり、玄関正面の真裏を居間やこの勝手口が囲んでいる感じです。

普段の「戦場」、生活空間を玄関からは見えなくしたいところですが、南北の通風の確保は怠り無く、壁の上下の格子窓は飾りというより通風窓の役目が主となります。

裏舞台のはずのトイレも生活の舞台として木の香りが恋しくて出てきたくなくなるような空間にしたかったのです。


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2011年09月16日

階段がプランを決める

昔の階段というのは2階へ行くための通路という意味しか持たなかったようです、多くは2階床のどこかで1階に邪魔にならない程度の位置を狙って、隠れた場所にあったようです。

階段が移動式の収納家具になっており、2階床の任意の開口部を利用し、そこへ移動して上れるようにしている伝統工法の家も見たことがあります。

昔の階上は居室というより物置や作業所といった使い方が多かったせいではないでしょうか。

それはそれで現代にも使用の工夫が出来るのかもしれませんが、2階も1階と同じひとつのまとまった生活空間とする現代の慣習を持つ私たちにとっては狭くて暗い不便な通路に見えてしまっています。

そんな存在であった階段を玄関の脇の表舞台、南の日当たりのいい場所に移動した・・・・というのが今回のプランを大きく決定する要素だったようです。

狭かった玄関と階段ホールをドッキングして家のそれぞれの目的地に繋がるハブとなる場所に位置させたということです。

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