2011年09月10日

2階の役割

岐阜県の西濃地方の伝統的な木造は日本の東海地方によく見られる「田の字」プラン、その2階はその「田」の上部の部屋は8畳もしくは6畳の個室であることがほとんどのようです。

部屋へのアプローチも判で押したようにその東側の階段室からのアプローチです。

構造骨組みの基本形を大きく変える改造はしないのが今回の方針ですし、変えてしまうと伝統工法のすばらしさが姿を変えてしまいます。

したがって部屋の区画はほとんど変えなくて、ご覧のような大黒柱の貫禄や化粧丸太の力強さが際立つような珪藻土塗りとヒノキの板張り、どうしても暗くて狭い個室群になりがちだった状況を明るくて普段使いも楽しみになるような内装にしました。

ちなみに洗面化粧台の脇にある扉は改装前には小屋裏部屋だった部分ですが、これもエアコンの点検用と物入れとして再利用している部屋の入り口です。

ここには写っていないですが、この内側に大きな丸太が1階屋根を支えて頑張っているのを見つけて、金物を取り付けて「まだまだ頑張ってもらわなきゃ」と助けておきました。

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posted by まちかどけんちくか at 07:10| Comment(0) | U_house 現場監理記録

2011年09月07日

縁側の魅力

「広縁、縁側」は「和室」と並ぶ日本家屋の象徴のような場所ではないでしょうか。

建築主さんが「ここでよく冷えたビールをキュッと、たまらんよー」と何度か言われた、この庭の手入れを終えた疲れを癒すときの楽しみをこんな風に表現されました。

何も考えることなく庭の緑を眺めている時間は何にも変えられない贅沢かもしれません。

洋風建築にも「テラス」という庭園と室内の緩衝部分がありますが、広縁はテラスにはない独特のしっとり感というかテラスとイコールではないように思います。
それは椅子に座るのと、板の間や畳に座する、寝転ぶという違いにも共通しています。

座して低い視線で和室の中から雪見障子を通して庭を楽しむ、日本人のほうが直接的に自然を感じる作法を知っているようにも思います。
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posted by まちかどけんちくか at 21:15| Comment(0) | U_house 現場監理記録

2011年09月03日

ダイニングの環境は家族の宝

リフォームで居間、キッチン、ダイニングとワンルームとなったわけですが、その東の端がダイニングのスペースになっています。

リフォームという制約の多い工事の性質上ここにダイニングを配置できたことは建築主さんの思いの強さもありましたが、設計者もここしかないとプランの初期の段階から勝手に決めており、そこに向かって他の条件を整理して納めていったということかもしれません。

不思議とダイニングの位置と階段の位置を固定してプランを練り直してみたら、構造や設備、法令などの諸条件が綺麗に納まってきたのを記憶しています。

それはこの2方向に開口部をとれた明るさと、視線を外に向けることに快感を感じる眺望、それがこれから何十年もこのご家族に与えられる生活環境に乾杯!・・・・そんな充実感を感じます。
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posted by まちかどけんちくか at 08:23| Comment(0) | U_house 現場監理記録